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神戸丸 (東亜海運) : ミニ英和和英辞書
神戸丸 (東亜海運)[こうべ]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [かみ]
 【名詞】 1. god 
: [と]
 【名詞】 1. door (Japanese-style) 
: [まる]
 【名詞】 1. (1) circle 2. (2) full (month) 3. (3) perfection 4. purity 5. (4) suffix for ship names 
: [ひがし]
 【名詞】 1. east 
東亜 : [とうあ]
 【名詞】 1. East Asia 2. the Orient 
海運 : [かいうん]
 【名詞】 1. maritime 2. marine transportation 
: [うん]
 【名詞】 1. fortune 2. luck 

神戸丸 (東亜海運) : ウィキペディア日本語版
神戸丸 (東亜海運)[こうべ]

神戸丸(こうべまる)は、東亜海運株式会社がかつて保有していた短距離国際航路用の高速貨客船である。
長崎-上海を繋ぐ上海航路を増強するために、既に運行されていた長崎丸及び上海丸を拡大発展させた鋼製双暗車貨客船として、1939年昭和14年)から1940年(昭和15年)にかけて三菱重工業長崎造船所で建造された(三菱重工長崎造船所第796番船)。
== 特徴 ==
本船は、国策海運会社である東亜海運株式会社が設立後に最初に発注した船である。
既に上海航路には日本郵船から移譲された長崎丸上海丸が就航していたが、乗客及び取り扱い貨物が増加したことに伴う当該航路の増強のため、三菱重工業長崎造船所に8,000トン級高速貨客船として発注された。
船体は鋼製で、航海船橋楼甲板(navigation bridge deck)・短艇甲板(boat deck)・遊歩甲板(promenade deck)・船橋楼甲板(bridge deck)・上甲板(upper deck)・第2甲板(second deck)・第3甲板(third deck)の7つの甲板(deck)から構成され、太めの煙突がやや後方に傾斜して1本備え付けられていた。船体の要目は、7,930.0総トン(満載排水量6,930.0排水トン)、全長138.5m、型幅18.0m、型深9.75m、満載喫水6.047mであった。
なお、塗装は、上甲板以下が黒色、上甲板以上が白色であった。
旅客定員は一等149名と三等448名の合計597名であり、旅客用の部屋は、遊歩甲板・船橋楼甲板・上甲板・第2甲板の4つの甲板を下記のように使用していた。
*遊歩甲板:前方より「ベランダ付一等喫煙室」「一等エントランスホール」「特等室」「一等客室」「一等ラウンジ」
*船橋楼甲板:前方より「一等大食堂」「一等エントランス」「一等配膳室」「特別室」「一等客室」「三等エントランスホール」「三等喫煙室」「三等ベランダ及び遊歩場」
*上甲板:前方は「一等客室」、後方は「三等大食堂」「三等エントランス」「三等娯楽室」
*第2甲板:「三等客室」「大浴場」
旅客設備として、各甲板には旅客用エレベーターが備えられていた。また、公室及び客室にはサーモタンクと温湿調整装置を備え、夏は外気を取り入れ冷房とし、冬は空気過熱器によって暖められた空気を暖房として用いた。照明についても、居心地良く落ち着いた雰囲気を提供するため、「ベランダ付一等喫煙室」「一等大食堂」「一等ラウンジ」「三等大食堂」「三等娯楽室」には、直接照明に加え間接照明も併用していた。客室については、一等客室は、天井灯、トイレット灯、寝室灯と、ベットにそれらスイッチを備え、他に呼鈴装置、冷暖房装置が完備されていた。三等客室は、和室と洋室の2種類が用意されていた。
主要旅客設備は、逓信省並びに帝国海事協会の特別検査監督のもと、短国際航路就役船の船舶安全規定に従って建造された。また、短艇の昇降に使用されるボートダビットは三菱式ダブルアクションボートダビットを採用し、短艇の迅速な運用を可能としていた。
貨物の最大積載量は1,940トンであり、前方に2つ、後方に1つの船倉を持ち、前方に2組と後方に1組のデリックポストで貨物の積み込みを行った。また、貨物倉内には、通常の貨物倉のほか、冷蔵貨物倉や日本船として初めて自動車格納庫を設けていた。また、船内には旅客荷物用のエレベーターを備え、手荷物の迅速な取り扱いを提供した。
航路に揚子江が含まれる関係上軽喫水となっているため、通常の商船よりも著しく高い回転数の推進器が採用されている。そのため、タービンは一段減速歯車装置付となり、その減速歯車には、三菱ダブルヘリカル歯車が用いられた。
機関部に関しては、主機関として「三菱ツェリー全衝動型一段減速歯車装置付並列複式蒸気タービン」が2基搭載された。このタービンは、1基につき前進用に「高圧タービン(8段落)」と「低圧タービン(6段落)」を1基ずつ備え、後進用に「後進タービン(2列式1段落)」を高圧・低圧タービンのそれぞれの車室内に包含していた。主機2基合計の総合軸馬力は11,500馬力(連続最大15,260馬力)、回転数は「高圧タービン」が毎分4,628回転、「低圧タービン」が毎分3,273回転、「推進器」が毎分220回転、使用蒸気は圧力が24kg/cm、温度が375℃であった。
主汽缶(ボイラー)には、当時商船用としては国内最高圧・最高温の「三菱三胴型水管缶」が4基搭載された。この缶は、受熱面積が550mとできる限り燃焼室の容積を大きくしており、その性能は、最大連続蒸発量が毎時17トン、蒸気圧力が27kg/cmで、構造は、過熱器は対流型、空気予熱器は堅型直管式、燃焼装置は平衡通風、給炭装置として、三菱マルティプルレトルト下込ストーカ(stoker: 自動給炭機)で構成されていた。
この三菱マルティプルレトルト下込ストーカとは、石炭庫から取り出した石炭をまず石炭昇降機により運び上げ、漏斗状のホッパーへ落とし込んだ後、ストーカによって火床へ自動で送り込まれる仕組みであった。このストーカは、6個のレトルト(ホッパーから炉内へ石炭を送り込む筒のことで、筒内に備えたアルキメディアン・スクリューを使用して石炭を動かす〔山崎喜一郎、http://doi.org/10.3775/jie.17.504 燃料協会誌Vol.17 (1938) No.5 P504-513〕)から成り、火層の下方から給炭されるため、石炭の揮発成分は下方より炉内に全体に均等に行き渡ることで、燃焼効率が良く、ほとんど無煙であった。この装置により、送炭、給炭ともに自動化されたため省力化することができた。
補助缶は、蒸気圧力10.5kg/cmの船用スコッチ型を1基搭載しており、主として甲板部の所要蒸気として使用された。また、衝動型一段減速歯車装置付背圧蒸気タービン駆動のターボ発電機を備えていた。
燃料の石炭は、比較的揮発性が高くやや粘結性を持つ崎戸炭を使用した。
主発電機は530kWを2基、補助発電機60kWを1基、さらに非常用の30kW発電機を1基、通信用の1.25K.V.Aの交流発電機を1基、電池充電用電動発電機を1基、無線用電動発電機を3基備えていた。
なお、動力としては、機関部諸補機36基634kW、甲板部諸補機37基71.4kW、そのほかに操舵装置用電動発電機を備えていた。なお、操舵装置は、特許三菱電機製の純電動操舵装置であった。
航海・通信装置としては、無線送受信機、方向探知機、音響測深儀、シップログ、放送装置、非常警報用モーターサイレン、室内自動電話等を備えていた。加えて、煙突灯、探照灯、荷役灯を備えていたが、戦時下の建造であったため曝露甲板の照明は、船橋から一斉に点灯・消灯することが可能であった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「神戸丸 (東亜海運)」の詳細全文を読む




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